ぼんじん主義。

気が弱くても、しなやかに生きていける強さを求めて。

やりたくないことは続かない。大学院を中退して感じたこと。

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こんにちは、くずもとです。


今回は、記事タイトルの最初の一文がすべてです。


これまでの経験から、やりたくないことは続かないと考えています。

 

根性や忍耐、我慢という言葉を重んじる考え方もあるかと思いますが、心の違和感に背いた生き方はどこかで破綻すると思います。

 

社会のレールに沿ってなんとなくで生きてきたこと、そして大学院中退を自分の意思で決断して、そう感じるようになりました。

  

 

できることから将来を考えていた

少数派になりますが、僕は高専に進学し、高校から理系の道をバリバリ進んできました。

 

将来の選択肢を探したり、大学受験に向けた勉強する高校とは違って、高専は技術者になるための勉強をする場所です。

 

エレクトロニクスやプログラミングを専攻していたので、いずれはエンジニアにでもなるんだろうなとぼんやり考えていました。

 

ただ、高専で学ぶうちにやりたいことじゃないなぁと感じるようになりました。

 

しかし、レールに乗ってしまった以上そこから外れる勇気もなく、ダラダラと学校生活を送っていました。

 

そして当時は『働く=我慢と引きかえにお金を稼ぐこと』だと思っていたので、働きたくないというニート的発想から、大学編入を選択しました。

 

盲目的な進路選択と研究室配属

大学に入ってからも自発的に学習する熱量は全くといっていいほどなく、単位を取るためだけの勉強が続きました。

 

そして必要最小限の単位を取得して4年生に進級しました。

 

このタイミングで進路の選択を迫られます。

 

学部卒で就職活動を始めるか、大学院に進学するか。

 

9割の学生が進学する学部だったので、周りに流されて大学院進学を選択しました。

 

また、4年生で卒業研究がスタートするので研究室配属がありました。

 

就活時に有利になる研究室に入ろうという打算的な理由から、ブランド力のある教授の研究室に入りました。

 

研究が苦痛で仕方がない…

1年間の卒業研究を終えて無事に大学を卒業し、院生活がスタートしました。

 

ただ、大学院に入ってから研究が苦痛で仕方がなく感じるようになりました。

 

卒業論文では先行研究の補助で単位をもらえましたが、大学院では主体的に研究活動をしていく姿勢が求められます。

 

就活が有利になるという甘い考えで進学した僕に、学問を探求する熱量はありませんでした。

 

そのうち教授にも目をつけられるようになりました。

  

高圧的で、学生の意見に否定から入るタイプで、学生の主体性を削ぐ印象がありました。

 

輪講では、研究意欲がない人の報告にはダメ出しばかりで、見世物のように扱われていました。

 

目をつけられた僕も輪講の度にみんなの前で、否定され、怒られ、自信をなくすことを繰り返すようになりました。

 

だんだんと「自分はダメなヤツ」というイメージが刷り込まれ、常にビクビクしながら研究生活を送っていました。

 

それでも、この2年を持ちこたえれば、大企業に就職して辛さから抜け出せるという思いが唯一の支えでした。

 

人生の目標だった就活が終わって…

院生活が1年経って就活がスタートしました。

 

通信キャリアやメーカー、SIer業界の大企業を中心に10社ほどエントリーして選考を受けました。

 

そして幸い、大手のSIer企業から内々定を頂くことが出来ました。

 

最終面接終わりの夜、帰宅途中の公園で内々定の一報をいただき、喜びでいっぱいになりました。

 

「大学を出たら明るい未来が待ってる」と思いました。

 


あとは修士論文に向けて研究に専念するのみとなりました。

 

しかし、就活で人生の目標が達成されたので燃え尽きた感覚がありました。

 

「あと半年耐えれば修了、でも楽しくもない研究を教授との関係に耐えながらやっていけるだろうか…」と感じました。

 

先輩の就活時の様子を見ていて、研究が疎かになると扱いがひどくなっていたので、これからの半年が恐怖でしかありませんでした。

 

だんだんと研究をサボるようになりました。

 

退学を決意するまでの苦悩

朝、支度を済ませて行こうと思っても、不安から研究室に向かう勇気が湧きません。

 

「あと30分したら研究室に行こう」
「あと1時間したら行こう」の繰り返し。

 

1日中家に引きこもっては動画をみて、現実逃避をするようになりました。

 

そうして数日が過ぎていくなかで、”退学”が頭をよぎるようになりました。

 

「研究はもう頑張れそうにない…でも修了しなかったら内々定取り消されるのかな…」と大学院を中退された方の体験談をネットで読み漁っていました。

 

教授との関係性が原因だと理解を示してくれる企業は少ないとか、修了見込みで就活をしたから修了出来なくなれば取り消されるのが普通だとか、辞めて就活をし直す場合、新卒との競争に勝って就職先を見つけられるのかとか、そういう情報を見ては不安が増していきました。

 

 

一度だけ学内カウンセラーにも相談してみました。

 

しかし「あと半年なら無理にでも頑張れない?」という言葉を聞いて余計にモヤモヤが強くなり通うことをやめました。

 

寝ても覚めても苦しい思いが襲ってきて、体も重く生きた心地がしませんでした。

 


そうしてさらに数日悩んだ末、ようやく踏ん切りがつきました。

 

これまでの人生を振り返って「どんなに意欲の湧かないことでもサボったり逃げ出したりしたことのない自分が、ここまで拒絶するのであればもうやめよう」と感じました。

 

そして、中退の意思があることを内々定を頂いていた企業にも相談しました。

 

この頃は事情を説明すればわかってくれるだろうと、あわよくばで内々定が取り消されずに済むことを期待していました。

 

しかし対応して頂いた人事の方に相談した時もまた「あと半年なんだから頑張れない?」と言われました。

 

何度か電話や対面で相談に乗って頂いたのですが、「忍耐がない」と見下すような雰囲気を感じて嫌気がさすようになりました。
(被害妄想もおおいに混じってます)

 

そして、失礼極まりないですが「こんな人が人事をやっているところなら、無理して半年頑張って就職しなくてもいいや」と感じるようになりました。

 

結局、大学院中退の意思も変わらず、内々定辞退という形で扱われることになりました。

 

あとは学生指導の教官に承諾をもらって退学手続きを済ませるだけとなりました。

 

研究室の変更や休学を提案されましたが、専攻していた分野自体に興味がなかったことを打ち明けると、理解を示してくれて滞りなく手続きが完了しました。

 

2017年7月に大学院を中退しました。

 

その後

 退学手続きが完了したという報告を学生指導の教官から頂いた時、晴れやかな気持ちで満たされました。

 

何もかも失ったけど、自分の意思で下した決断に後悔はなく、これからの生活を前向きに考えられるようになりました。

 

そして退学を迷っていた頃は、就活をし直そうか考えていましたが、今すぐに就活するのはやめようと考えるようになりました。

 

専門スキルがなくなった上に、ネガティブな要素が増えた状態で新卒採用で戦っても勝ち目がないだろうと思ったことが一つ。

 

そして、就活時は安定志向で大企業しか見ていませんでしたが、対極にあるベンチャー企業に興味を持つようになったことが一つ。

 

インターンから経験させてもらえるを探そうと思い、Wantedlyというサイトでベンチャー企業インターン募集に応募するようになりました。

 

インターンということもありますが、ベンチャーの面接は新卒採用に比べてかなりラフでフランクでした。

 

大学院を中退した経験も、そこまで悲観的に捉える人が多かったのが印象的でした。

 

まるで別世界に飛び込んだように感じて、色んな人がいるんだなと思いました。

 

そして、退学から1ヶ月後には当時設立2年目のITベンチャーインターンとしての新しい生活がスタートしました。

 

最後に

冒頭でも書きましたが、僕はやりたくないことは続かないと考えています。

 

本心にフタをしてしまったり、違和感を押し殺していくうちに、心に歪みが生じて、いつか自分自身を苦しめる存在になります。

 

もし、周りに流されて進路選択をしてしまって、行き詰まりを感じるのであれば考えてみてほしいことがあります。

 

これまでの人生で、何をしている時間が好きだったか、時間を忘れるくらい夢中になった経験はなかったか。

 

これは退学してから僕が実際にやっていたことです。

 

頭がスッキリしている朝に、紙とペンを用意して自問自答していました。

 

僕自身、本音にフタをして生きてきた時間が長かったので、見つけるのに時間がかかりましたが、答えは自分の内側にありました。

 

そして、やりたいことから人生を考えるようになるとワクワクする時間が増えました。

 

この記事がやりたくないことを続けてモヤモヤしている人の心に寄り添える存在になれば幸いです。

 

最後までご覧頂きありがとうございました!

 

 

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